中国の早期利上げ懸念は杞憂か

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中国の早期利上げにより影響をうける為替相場

今回の為替相場特集は、景気が強くなってきている中国について万博がおこなわれる上海周辺の不動産価格が急騰しており、バブル経済がはじまっているようである。中国政府は金融の引き締めをはじめており、その動向に世界中の投資家が注目している。

 

 

「中国の早期利上げ懸念は杞憂か」

 

昔から為替相場を見ている人ほど(筆者を含めてですが)中国関連の材料を軽視する傾向にあると思います。なにしろほんの5年くらい前までは、人民元が上昇しようが、上海総合指数が下がろうが、為替市場では誰も気にしませんでしたし、中国の景気指標などそもそも発表しているのかどうかも知らなかったのですから・・・。

 

しかし今や中国の外貨準備は日本を抜いて世界一になり、GDPでも今年は中国が世界第2位の座を日本から奪うことが確実です。昨年の中国の自動車販売台数は1360万台となり、米国を抜いてなんと世界一に躍り出ました。

 

こうなるともう世界経済も為替相場も、中国を抜きに語ることはできません。ここ数年の間に為替取引を始めた人にとっては、日本などより中国の経済指標の方がよほど気になることでしょう。筆者は中国に行ったことがありませんが、後学のために一度上海の街をこの目で見ておくべきかもしれません。

 

さて、昨日発表された中国第4四半期GDPは年率+10.7%と二ケタ成長を取り戻し、12月の生産者物価指数と消費者物価指数も予想を大幅に上回りました。金融危機はもはや過去のものとなり、景気に関する下方リスクは大きく低下しています。

 

また昨年12月の銀行新規融資が3798億元と予想の3000億元を大幅に上回ったうえ、関係者によると1月の新規融資は前半だけで1兆元を突破した模様です。中国人民銀行は過剰融資による不動産バブルやインフレ圧力を強く懸念しており、このところ3カ月物、1年物の手形オペ金利の利上げを相次いで高め、誘導し、引き締め姿勢を明確にしました。

 

また今週水曜日には、中国銀行業監督管理委員会の劉明康委員長が、与信の総量規制を継続するとの方針を示し、中国当局は融資シェアの高い四大銀行(中国銀行、中国工商銀行、CITIC銀行、光大銀行)に対して追加の預金準備率引き上げ(0.5%、適用期間は3カ月)を命じました。中国が政策金利の利上げを含む本格的な引き締めに動くのも時間の問題との見方が広がっており、株式市場は不穏な空気に包まれています。

 

ただ、中国共産党は昨年11月の時点で、2010年も比較的緩和的な金融政策と積極的な財政政策を維持することを決定しており、中国人民銀行も急激な引き締めに転じる公算は小さいと見てよさそうです。中国人民銀行は、景気の過熱よりも過剰融資によるバブルやインフレ圧力を警戒していますが、12月のCPI(前年比+1.9%)は比較的高い数字とはいえ、新興国のインフレ率としては懸念するほどの水準ではなく、中国人民銀行に早期利上げを促すには不十分です。

 

また過剰融資の抑制にあたっては、利上げよりも総量規制などの窓口指導や流動性の絞り込みなど裁量的な政策を活用していくと見られ、この辺は中国も日本のケース(資産バブル発生と急激な引き締めによるバブル崩壊)をよく研究しているはずです。

 

中国の景気が順調に拡大する一方、引き締めは穏やかになるとすれば、実体経済にとってはポジティブであり、株式市場にとっても中期的に見て好ましい状況といえます。このところの「中国の引き締め措置で急激に需要が抑制され、世界景気に悪影響が出る」との見方は悲観的過ぎ、むしろ中国経済が本格的な回復に向かうことで、世界経済の二番底リスクが後退すると前向きに受け止めるべきではないでしょうか。

最新の中国経済金融情報

1月12日に中国人民銀行が預金準備率の引き上げを発表して以来、市場では中国の金融政策の動向に対する注目度が高まり、世界の株価や為替相場を動かすケースが増えてきている。

 

過去の金融政策の経緯を振り返ると、中国が最近実施している一連の政策変化は「金融引締め」というより「過度」の緩和状態を徐々に「中立化」する過程と位置づけることができる。

 

中国の金融政策が、緩やかに「中立化」する過程から本格的な「金融引締め」に転じる可能性を見るため、「景気は過熱領域に入ったか」、「物価は警戒領域に入ったか」、「株価と不動産はバブル領域に入ったか」の3つの視点から分析してみた。

 

結論としては、現時点では「過度」の緩和状態を緩やかに「中立化」するのが妥当で、これまでの中国の政策対応は適切で、本格的な「金融引締め」が必要な環境にはないと考えられる。

 

今後の政策対応の見通しは、3月初迄は窓口指導と預金準備率引き上げで銀行融資純増ペースを適切に管理、3月中下旬に対ドル人民元レートの緩やかな切り上げを開始、利上げは米国の利上げを待って9月頃になると見ている。

 

中国株は、金融・為替政策が引締め方向に変更されることが多くなるため、その都度1〜2割程度の下落となろうが、適度な押し目は相場の過熱を防ぐことになり、まさに「株は慎重の壁を登る」の格言どおり、長期的に見れば名目成長率並みに株価は上昇すると見ている。

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